令和5年度 学校保健委員会

 17日(金)に、今年度の学校保健委員会が開催されました。感染症拡大防止の観点から、リモート形式で実施されました。


 まず、本校保健委員会の生徒が発表を行いました。テーマは、「ネットと私たちの安心・安全」です。先日実施した、東中ネットルールを守っているかどうかのアンケート結果と、その考察を発表しました。
 傾向としては、学習の時にもタブレットやスマートフォンを触ってしまったりSNS等を利用してしまう、夜遅くまで利用している人も多く、生活習慣に乱れをきたしている、そもそも利用時間が長い、という状況です。一方、他人を傷つけないように心がけている人は比較的多いようです。よって、「自分のことに関して意識を高める」ことが今後の課題であると、保健委員会では分析しました。「ネットを自分勝手に使わない」ということが、どの学年でも大事なようです。

 次に、今日の講師である、富山大学医学部 疫学健康政策学 准教授 の 山田正明 先生 に、「医者から見た子どものネット依存」と題して講演いただきました。
 依存症になるものは「楽しく」「疲れを感じず」「飽きがこない」ものであること、娯楽としてのネット利用が依存をもたらす危険がとても高いこと、ネット依存は特に脳内の前頭葉を委縮させてしまうこと、そして、依存症はこの中学生の時期に最も発症しやすくなってしまうことなど、最新の研究から明らかになったことをたくさん紹介していただきました。
 また、ネット利用が目に大きな影響を及ぼすことはよく知られていますが、目の向きや形まで変えてしまう可能性があることや、実は、集中力と記憶力の点では、デジタル機器での学習より紙を使った学習の方が優れていること、保護者のネット利用時間が子どものネット利用時間に最も影響を与えていることなど、興味深い話も聞くことができました。
 最後に、まとめとして、「ネットは依存性の高い危険な物であることを前提にして利用しよう」「平日の利用時間は1~2時間におさえよう」「毎日の利用は控えよう」「家族ぐるみでネット利用時間の約束を決めよう」といったことを提案してくださいました。

 私たち東部中学校には、令和2年度に改定した「東中ネットルール」があります。これは山田先生がお話してくださった提案を網羅する内容になっています。東中ネットルールを大切に守ることを継続し、健全な学校生活を送れたらよいと感じました。